俺の姉は

これ書いたの1年前位なのか。

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「ちょっとコンビニ行ってくるわー」
午後9時半。姉貴がのんびりとサンダルをつっかけた。
―…おかしい。 
 最近、姉貴が1人でコンビニに行くのだ。しかも夜、頻繁に。
どう考えても、おかしかった。そういうことをする姉ではないのだ。
 意を決して、俺は今夜あいつを尾行することにした。
 
 姉貴は、誰かとケータイで話しながら夜道を走っている。
―何だ?彼氏か?
あいつはそのまま公園に向かった。
 
 夜の公園には、人影が5…6…7人、くらい?そしてなんだかその中の1人がえらくでかい。
お、話し声が聞こえる…
「ふははは…怖気づかずに来たのだな!!」
「当たり前だ!!バットル伯爵!!」
…は?ばっとる伯爵?
「来い!!ググレンジャー!!」
…は?ぐぐれんじゃー?
 
 よく目を凝らすと、赤・青・黄・緑・黒の…なんていうんだろう、××レンジャー、みたいなのが着てるスーツっぽいのを着た5人が、人間離れした巨大な怪人っぽい人と戦っていた。
―あ!!黒が捕まった!!
「うわぁ!!」
黒は聞きなれた声で悲鳴を上げた。
―あ、姉貴!?
思わず飛び出しそうになったけど、
「何すんじゃぁ!!」
と、黒レンジャー=姉貴が、バットル伯爵をぶっ飛ばしていた。
「今だ!!」
赤・青が飛びかかり、バットル伯爵は倒れた。
「く、くそ…。きょ、今日はこの辺りで勘弁してやる…」
彼は捨て台詞を吐くと、紫色の光とともに消えた。
 一方ググレンジャーは、ミーティング?っぽいのをしている。
「バットル伯爵…あいつはザコだが、上のドッテル侯爵がな…」
「いつ攻撃をしかけてくるかわかりませんね…」
…なんだか、今のずるくなかったか?ググレンジャー。
ザコじゃあなかったと思うよ、バットル伯爵も。
 
俺は、見てはいけないようなものを見たような、なんだか微妙な気分で家路についた。
そして1時間後、姉貴が疲れた顔で帰ってきたときには、何も言わなかった。

2008.6.13

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